仕事用のイヤホンを探していた。会議中の外音取り込み、通勤・出張での使い勝手、そしてApple以外の選択肢。その条件でたどり着いたのがTechnics EAH-AZ100だった。結論から言えば、筐体の完成度は高い。しかし私が最も重視していた外音取り込み機能については、期待を下回った。
なぜTechnics EAH-AZ100を選んだのか
元々はAirPods Pro初代を使っていた。外音取り込みの自然さ、Appleデバイス間でのシームレスな切り替え、どれも満足度が高かった。ただ片側のイヤホンが稀に調子を崩すことがあり、AirPods Pro3を38,300円で購入した。それとは別に、仕事用として会議・通勤・出張を想定したApple以外のイヤホンが欲しくなった。予算はAirPods Pro3と同等程度を上限とし、調査の末にTechnics EAH-AZ100を32,138円で購入した。
選定の軸として最も重視したのは外音取り込みの自然さだ。以前1万円を切るワイヤレスイヤホンを使った際、服の擦れ音を過敏に拾いすぎて外音取り込み機能が不快なレベルだった経験がある。オープンイヤー型も検討したが、音漏れと装着感の面で断念した。カナル型で、外音取り込みが自然なモデル。その条件でEAH-AZ100は有力候補だった。

筐体の完成度は本物だ
手に取った瞬間、質感の高さは素直に認める。ケースはマットな仕上げで、Technicsのロゴが天面に刻印されている。プラスチック感が薄く、所有欲を満たす水準にある。

重量も優秀だ。イヤホン2本のみで11.5g、ケース込みで53.1g。数字として軽い部類に入る。長時間装着での耳への負担が少ない点は評価できる。


イヤホン本体を間近で見ると、タッチ面のメタルフェイスプレートに同心円状の加工が施されており、Technicsのロゴが刻まれている。安っぽさは一切ない。

ケース背面にはUSB-Cポートが備わっており、充電の取り回しも現代的だ。ワイヤレス充電にも対応している。

外音取り込みの正直な評価
ここが本題だ。結論から言う。AirPods Pro3と比べると、一段落ちる。
専用アプリからアンビエントモードを選択し、外音取り込みの強度をMin〜Maxの範囲で調整できる。強度を上げると環境音の集音量は増すが、常時サーというホワイトノイズが乗ってくる。強度を下げるとホワイトノイズは軽減されるが、今度は自分が喋ったときのくぐもり感が増す。どちらに振っても何かが犠牲になる。

AirPods Pro3は、外音取り込みをオンにしていることを忘れるレベルの自然さがある。ノイズはほぼ乗らず、会話時のくぐもりもほとんど気にならない。稀に「本当につけているのか」と疑うほどの透過感がある。EAH-AZ100はそのレベルには届いていない。服の擦れ音への過敏な反応はなく、その点は1万円以下の製品との差はある。しかし3万円超の製品として外音取り込みの質を評価するなら、惜しいという言葉が正直なところだ。
アプリ機能と接続性
専用アプリの完成度は高い。ホーム画面ではL・R・ケースそれぞれのバッテリー残量をパーセントで把握できる。3台同時ペアリングに対応しており、接続先のデバイス名を個別に設定することもできる。どのデバイスに繋がっているかが視覚的に把握しやすく、複数デバイスを使い分ける人間には実用的な機能だ。

サウンドモードはダイレクト・バスエンハンサー・バスエンハンサー+・クリアボイス・トレブル+の5種類から選択できる。ダイレクトは音に手を加えないフラットな状態で、音質を素直に楽しみたい場合に使う。

ケースの蓋マグネット問題
もう一つ書いておきたい問題がある。ケースの蓋を閉じるマグネットの磁力が弱い。腰の高さ程度から落下させると高い確率で蓋が開き、イヤホンが飛び出す。
私はカラビナをつけた保護カバーをケースに装着し、通勤バッグのショルダーストラップに吊り下げて運用していた。バッグを下ろした瞬間に足元にイヤホンが散乱している事態が毎日のように発生した。保護カバーの重量増がさらにマグネットの保持力を上回っている状態だ。AirPodsのケースでは一度も起きなかった事象であり、運用上の大きなストレスになった。

Technics EAH-AZ100 主要スペック
参考までにスペックを以下にまとめる。

まとめ:筐体は好きだが、外音取り込みには戻れない
Technics EAH-AZ100は、デザインと軽さ、接続性の柔軟さという点では3万円台の製品として十分な完成度を持っている。
音質についても自宅での音楽鑑賞用途であれば満足度は高い。しかし私が仕事用として最重視した外音取り込みの自然さという一点において、AirPods Pro3に及ばなかった。会議中に常時装着し続けるには、ホワイトノイズとくぐもり感の共存が気になりすぎる。ケースの蓋問題も日常運用では無視できないレベルだ。Apple製品との比較になることを承知の上で言えば、同価格帯ならAirPods Pro3を選んだほうが私の用途には合っていた。Technicsブランドの筐体クオリティや音楽再生目的での使用を優先する人には刺さる製品だと思うが、外音取り込みを軸に選ぶなら慎重に検討した方がいい。

