
私はスマホで撮影することにロマンを感じる。
SNS、Web閲覧、電話。日常のすべてが収まったこの小さな板が、同時に「映画」を撮るための機材にもなる。この万能さに抗えない。
もちろん、ライカ監修のレンズを積んだモデルや、圧倒的なハードウェアスペックを誇るAndroidの進化も凄まじい。けれど、私がiPhoneをメイン機に据える理由は、単なるカタログスペックの高さではない。
Appleは、インテルと共にThunderboltの開発を牽引し、ProResやApple Logといった独自の、かつ業界標準となる規格を自ら作り上げてきた 。ハードウェアだけでなく、映像制作の核となる「規格」と「ワークフロー」をゼロから創造するAppleの姿勢。そこに、他メーカーにはない映像への執念を感じてしまうし、その創造を応援したいのだ 。
この合理的なシステムを、外の世界で最大限に活かしたい。
私が求める「最高の機動力」は、単なる軽さのことではない。
ポケットから取り出した数秒後にはApple Log 4K120pを回せる速写性と、三脚、ジンバル、自撮り棒へとストレスなく換装できるシステムの一貫性。この2つが両立して初めて、成り立つ。
普段は会社員として働く私にとって、平日の隙間時間や貴重な休日の撮影において、「準備の煩わしさ」は最大の敵だ。
小さく、軽く。けれどプロ機に負けない幅広い表現を。
この矛盾する難題を、いかにコストパフォーマンス良くクリアするか。それが「モバイルギア・ラボ」としての研究テーマとなっている。
ただし、iPhone単体では解決できない「壁」も確かにある 。
撮りたい瞬間に、最高の設定で、かつノンストレスで記録し続けるために。 試行錯誤の末にたどり着いた、2026年現在の私の「撮影装備」を紹介したい 。

2026年の撮影機材の全て
撮影機材一覧
- カメラ:iPhone 17 Pro 256GB
- ガラスフィルム:NIMASO アンチグレア iPhone 17 Pro 用 ガラスフィルム
- ケース:TILTA Khronos Lite iPhone 17 Pro Light Gray(MagSafe対応)
- カメラレンズフィルター:TILTA Khronos 58mm フィルタートレイ for iPhone 17 Pro58mmマグネット式フィルター用 Black
- NDフィルター:TILTA Khronos マグネット式 58mm バリアブル ND フィルター 1〜5ストップ (ND2〜32)
- PLフィルター:TILTA Khronos マグネット式 58mm PL(偏光) with ブラックミスト 1/2 フィルター
- 外付けストレージ:ハブ搭載Lexar® Professional GoポータブルSSD 1TB
- エアーブロー:NITECORE BB21 電子写真エアブロワーカメラクリーニングキット
以下、任意機材
- スマホホルダー:Ulanzi ST-28 スマホホルダー(MagSafe対応)
- スタビライザー:DJI RS 4
- ハンドル:DJI RS ブリーフケース ハンドル
- ストラップ:NEEWER RS4 RS3ジンバルショルダーストラップ
- クイックリリース1:Ulanzi UKA05 DJI RS4 用 Uka クイックリリースキット
- クイックリリース2:Ulanzi Uka クイックリリースプレートとベースキットC007
- カウンターウェイト:NEEWER ジンバルカウンターウェイトクランプキット
- 雲台:Ulanzi U-190 ミニチュアフルード ビデオ自由雲台 2895
- 三脚:BENRO FRHN24C ライノ カーボン三脚 耐荷重20kg 最大脚径28.6mm 2型4段
- カメラスライダー:Accsoon Toprig S40 電動カメラスライダー
- バッグ:ハクバ プラスシェル トレック 04 バックパック 18 カメラバッグ
常備機材

カメラ:iPhone 17 Pro 256GB

最新の機種かつProモデルにすることで最高品質のApple ProRes RAW 4K120pの撮影が可能。
これは外せない。
動画の保存は外付けSSDに行う構成のため、iPhone本体のストレージ容量は256GBと最小にできる。ただし、スマホストレージを80%以上使用している場合はスマホの処理性能が低下する。もちろん動画撮影にも少なからず影響が出るであろうから、私は常にストレージを50%程度に抑えるようにしている。
参考価格:¥179,800 重量:206g
ガラスフィルム:NIMASO アンチグレア iPhone 17 Pro 用 ガラスフィルム
ガラスフィルムは「反射しないこと」「指の操作感」を両立できるアンチグレアタイプがおすすめだ。
アンチグレアタイプは「画質が落ちる」「色味が白っぽくなる」という意見があるが、私の撮影環境においてはデメリットにならない。
参考価格:¥2,037 重量:10g
ケース:TILTA Khronos Lite iPhone 17 Pro Light Gray(MagSafe対応)
カメラフィルターを利用する前提で、最小限の換装で実現する現時点理想的なケース。
シンプルなデザインなため、機材感がなく日常使いができるのも気に入っている。
フィルターを使わず最軽量かつ高耐久を狙うなら、私はPITAKA製ケースを推したい。
参考価格:¥5,720 重量:57g
フィルタートレイ:TILTA Khronos 58mm フィルタートレイ for iPhone 17 Pro58mmマグネット式フィルター用 Black

ケースに適合するカメラフィルターを取り付ける専用のフィルタートレイ。
ロック機構もあり、不意に外れてしまうような心配は少ない。
参考価格:¥1,980 重量:17g
NDフィルター:TILTA Khronos マグネット式 58mm バリアブル ND フィルター 1〜5ストップ (ND2〜32)
フィルタートレイに適合するNDフィルター。
人間でいうサングラスの役割を持つため、特に白飛びしやすい太陽の出ている日には出番の多いフィルターである。
ただし、フィルターなしでも十分にいい映像が撮れるため、こだわりたい人向けの機材と言える。
参考価格:¥4,950 重量:16g
PLフィルター:TILTA Khronos マグネット式 58mm PL(偏光) with ブラックミスト 1/2 フィルター
フィルタートレイに適合するPLフィルター。
水辺の反射や雪原の反射を抑える役割をもつため、被写体によって重宝する。
ただし、NDフィルター同様に、こだわりたい人向けの機材である。
Amazon・楽天ともに商品が確認できなかったため公式サイトにて購入するのがおすすめだ。
参考価格:¥3,520 重量:16g
外付けストレージ:Lexar® Professional GoポータブルSSD

Apple Log 撮影に必須の外付けSSD。最小クラスでApple Logの記録要件を満たす。
IP65対応・動作温度も-40°~85°Cと、私の用途には完璧に適合する最高の製品だ。MagSafe機能を邪魔せず、かつ単体でマウント可能な優れもの。Apple Log 4K120pで長時間撮影するわけでもないため、1TBで十分である。
注意点があるとすれば、スマホケースが厚いと付属のUSB-Cアダプタのみでは対応できない場合がある。
このSSDについては別途記事を書く予定だ。
参考価格:¥33,080 重量:17g(コの字アダプタ含む)
エアーブロー:NITECORE BB21 電子写真エアブロワーカメラクリーニングキット


一眼同様にiPhoneのカメラ周りやフィルターには埃や水滴がつく。
缶のエアダスターを持つにはゴミが出るし、筐体が大きすぎる。昔ながらの手動タイプのエアブロワーでは少し非力で手間も多い。
これを解決してくれる製品。充電さえしておけば必要十分に使える。
参考価格:¥11,100 重量:205g
拡張機材

スマホホルダー:Ulanzi ST-28 スマホホルダー(MagSafe対応)
MagSafeにてiPhoneをマウントし、三脚やジンバルへの固定が可能。クランプとは違い、両手での取り付け動作が不要でマグネットのため、へたりの心配も少ない。
残念ながら現在は販売していないようなため、代替としてUlanzi MA54 Uka スマートフォンホルダー M055を推奨する。
MagSafe対応がスマートだが、なかなかいい商品がない。シンプルなホルダーの中にはたくさんのヒンジがつくものがあるが、ヒンジは使っていくうちに緩んでくるものである。もしヒンジ付きのものを購入する場合は、ヒンジを締め付ける機構の有無を必ず確認してほしい。
参考価格:5,553円 重量:96g
スタビライザー:DJI RS 4
挿入写真:スタビライザー単体
スマホ用ジンバルは手軽だが、SSDやフィルター、ケーブルを繋いだフル装備のiPhoneを受け止めるには、物理的なスペースが足りない。
RS 4を選ぶのは、重さを求めたのではなく、拡張したiPhoneを快適に回すための「空間」を買った結果だ。
また、専用アプリがないため、iPhoneのデフォルトカメラでもBlackmagic Cameraでも好きなカメラアプリで撮影ができる自由度も良い。
参考価格:¥56,100 重量:1,523g
ハンドル:DJI RS ブリーフケース ハンドル
挿入写真:ハンドル単体
DJI RS 4にてローアングル撮影が楽になる。持ち手が増えるため、取り回しも改善される。
ただし、気軽に畳める構造ではないため、コンパクトさは損なわれる点は注意が必要だ。
参考価格:¥6,160 重量:223g
ストラップ:NEEWER RS4 RS3ジンバルショルダーストラップ
挿入写真:ストラップ単体
DJI RS 4の致命的な弱点は、コンパクトではなくそれなりに重い点だと考える。
ブリーフケースハンドルが必要になるが、ショルダーストラップをつけることで両手を開けて運搬することが可能になるため、足元が悪い場所での移動が楽になる。
買って損はないが、私が購入したものはすでに購入が難しい状況である。
購入が厳しい場合はSmallRigから販売されているハンドルとショルダーストラップがセットになった商品が代替となる。
参考価格:¥4,959 重量:311g
クイックリリース:Ulanzi UKA05 DJI RS4 用 Uka クイックリリースキット
UlanziのUkaシリーズは、クイックリリースの中でも屈指の出来だ。
ただし、通常のC007ではRS4につかないため、専用のクイックリリースキットが必要である。
残念ながらこの商品は今現在購入ができないため、Amazonで購入可能な代替品「Ulanzi RS4Miniスタビライザー用 Uka用クイックリリースセット(ASIN:B0FFS7QCBF)」を推奨する。
参考価格:¥4,599 重量:59g
アクセサリー:Ulanzi Uka クイックリリースプレートとベースキットC007
三脚と雲台、雲台とRS4、RS4とスマホホルダーのそれぞれを、ほぼワンタッチで付け替えが可能になる優れものである。ネジを締める手間もなくなるため、非常に便利。
三脚やジンバルを使う場合は、ぜひ検討してほしい商品である。
ただ、Amazonや楽天にて常に買えるわけでは無さそうなため、確実に購入する場合は公式サイトから購入するのがおすすめだ。
参考価格:¥3,280 重量:51g

カウンターウェイト:NEEWER ジンバルカウンターウェイトクランプキット
挿入写真:ウェイト単体
DJI RS 4にスマホをセットする場合に、重心の関係でカウンターウェイトが必要になる場合がある。
プレートの先端にウェイトを設置することでバランスが取れるが、前後方向にジンバルが旋回する場合にウェイトが干渉することがあった。そのため、取り付けクランプと適当なネジの合う小さい部品を取り付けることでバランスが取れた。(ウェイトは結局使ってない)
あえてこの製品を購入する必要はないが、「スマホ単体ではバランスが取れない可能性がある」ことを知っておいてもらいたい。
参考価格:¥4,399 重量:クランプ 47.3g、ウェイト100g×2

雲台:Ulanzi U-190 ミニチュアフルード ビデオ自由雲台 2895
私の構成ではレベリング機能は特に必要としないため、最低限のパン・チルトができる雲台にしている。
できるだけコンパクトにしたいため、ハンドルは外している。
参考価格:¥7,299 重量:281g
三脚:BENRO FRHN24C ライノ カーボン三脚 耐荷重20kg 最大脚径28.6mm 2型4段
挿入写真:三脚単体
カーボン製三脚中ではコスパの良い商品。
RS4を乗せることもあるため、十分な耐荷重があり安心して使える。伸縮方法やサイズに不満はあるが、この価格なら割り切れる。
貴重な予算を高価なカーボン三脚にかける代わりに、カメラフィルターやバッグ・アクセサリーへの費用に配分した方が満足度が高いと私は考える。
参考価格:¥33,000 重量:1,430g

カメラスライダー:Accsoon Toprig S40 電動カメラスライダー

ちょっとしたアクセントになる映像が撮れる。
カメラスライダーは持ち歩くようなサイズ・重量のものが少ない中で見つけた製品である。
トラベル用のため、スライド範囲に制限はあるものの、ここぞというときに活躍する。
専用アプリはもちろん、機器単体で動作もできることから別途スマホを用意する必要もないため、荷物が増えすぎない点でも気に入っている。
参考価格:39,500円 重量:1,230g
バッグ:ハクバ プラスシェル トレック 04 バックパック 18 カメラバッグ
スマホだけの最小構成であれば、小さなショルダーバッグで十分だ。本気装備にも見えず、人混みでも機動力高くハイエンド撮影が楽しめる。
このバッグを使うのは、自然を散策しながら撮影するときなどだ。

選定理由は、18Lという最小クラスでありながら縦にカメラスライダーを格納できる点と、外側背面に三脚を固定できる点だ。非常食や傘なども収納できる空間が取れる。
ジンバル以外は全て格納できるミニマムなバッグと言える。特に三脚を背面の中央というバランスの良い場所で固定できるのは、非常に便利だ。
参考価格:¥19,800 重量:1,510g
この装備で「長野」を撮るということ
毎日使うiPhoneで高品質な映像が撮れる満足度は非常に高い。
長野はどこへ行っても自然豊かな風景が楽しめる。時間帯によっても季節によっても、いろいろな顔を覗かせてくれる。
路肩に車を止め、iPhoneで好きな音楽を聴きながらApple Logで目の前の風景を記録する。別途カメラを用意する必要がない、この手軽さは他にない。
いざ本格的な装備で機材ハイキングがてら撮影に臨む時も、機材が小さい・軽い・換装しやすいは正義だ。
コストパフォーマンスと満足度のバランス
私の所有する機材を全て用意するなら約42万円に上る。ただ、iPhoneのProモデルをすでに所有しているのであれば、機材分の24万円となる。
一見、大きな金額だが、一眼を買おうとすると本体だけでこの価格を超える場合もある。私が撮りたいものはiPhoneで十分だから、そう考えればかなりコスパが良いと考えている。
撮りたいものや機動性をとにかく追求したいという目的が明確であれば、予算はかなり抑えられる。
シンプルProRes撮影 セット合計 約22万円(機材だけなら…約3.8万円)
・iPhone 17 pro(iPhone15以上のProモデル) ¥179,800
・PITAKA iPhone 17 Pro Cairn Case ケルンケース ¥8,999
・Lexar® Professional GoポータブルSSD 1TB ¥28,825
ここに取り回しの良さとしてMagSafe対応の小型スマホ三脚を追加するのもおすすめだ。最低限のものであれば4,000円前後で手に入る。


結び:モバイルギアの探求は続く
もっと軽く、もっと小さく、もっと高画質に——と常々思う。モバイルギアラボでは、この想いがある限り探究し続けるつもりだ。
次は、今回の構成で最も重要な役割を担っている『Lexar Professional Go SSD』を深掘りしたい。なぜこれがiPhone撮影の最適解なのか、その理由を語るつもりだ。

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